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■ さくら構造 導入事例 - (株) 染谷工務店




茨城県の建設会社、(株)染谷工務店 設計部部長 井上弘道 氏、設計部課長補佐 稲葉雷太氏にさくら構造を起用した経緯と、その評価について詳しく聞きました。


(染谷工務店について)
染谷工務店は茨城県の西部地域をエリアとする地場の総合建設会社です。年商30億円、社員数56名、創業 昭和37年、主な事業分野はマンション建設と各種システム建築です。


■ 現在は、構造計算案件の9割をさくら構造に依頼、外注先はほぼ一本化


― 染谷工務店では、さくら構造にどのような仕事を依頼していますか。

染谷工務店では構造計算の発注先は、さくら構造にほぼ一本化しています。現在の社内シェアは90%超です。

弊社にとってさくら構造は、「構造計算の外注会社」ではなく、「顧客満足を共に実現するための仕事仲間」です。

最近は案件の企画段階から、さくら構造に早めに相談することにしています。


■ 以前は、近隣の小規模事務所に分割発注


― さくら構造にほぼ一本化する前は、構造計算はどこに外注していたのですか。

以前は、茨城、千葉、埼玉の小規模の構造計算事務所、数社に分割依頼していました。

当時は「大規模な案件を少数こなす」という形で売上げを作っていたので、その体制で問題ありませんでした。しかし2010年頃からは、「中小規模の物件を数多くこなす」という形に事業形態を変更しました。

この場合、構造計算の「件数」が増えます。しかし従来、使っていた少人数の構造計算事務所では応需能力、キャパシティに限界がありました。

この課題を解決するために、「多くの件数にも安定的に対応してくれる、比較的、大手の構造計算会社」を外注先に持ちたいと考えるようになりました。

まずはネット検索で情報収集し、さくら構造を含む数社を候補としてリストアップしました。


■ 「会社規模」、「先行投資意欲」、「技術力」、「柔軟性」が、求めた要件

― 新たに起用する構造計算会社にはどんな要件を求めましたか。

新規に起用する構造計算会社に求めた要件は次の通りです。
  1. ある程度の規模(供給能力)
  2. 新分野進出への意欲(先行投資の意欲、余力)
  3. 高い技術力(マニアックなまでに高度である必要は無い)
  4. 柔軟性、こだわりのなさ(最も重要な条件)

■ 多くの仕事を安定的に依頼したい

― 順々にお聞きします。要件1.「ある程度の規模(供給能力)」とは具体的には。

個人開業の小規模事務所の場合、設計者の技術力が高いとしても、やはり供給能力には限界があります。その人がキャパオーバーになると、仕事はそれ以上頼めません。

多数の案件があるときでも、それに確実に対応できるだけの規模を持った会社、簡単にいえば「技術者の人数が多い会社」を起用したいと考えました。


■ 受注する前でも、必要な場合は先行投資してほしい

- 要件2.「新分野進出への意欲(先行投資の意欲、余力)」とは

建設案件によっては、顧客満足度(受注確度)を高めるために、新しい設計方法にトライした方が良い場合があり、そのとき構造計算会社には、新たなソフトウエアの事前導入を要請することがありえます。

しかし個人で経営している設計事務所の場合、そのような「受注前のソフトウエアへの先行投資」は困難です。こうしたソフトウエア投資に積極的であり、かつそれを可能にする財務的余力が豊富な会社とつきあいたいと考えました。


■ もちろん、水準以上の技術力が必要

― 要件3.「ある程度の技術力」とは。

新たな構造計算会社には、「技術提案力があること」、「多くの仕事を同時に依頼した場合でも仕事の質が落ちないだけの安定力があること」を求めました。

なおここでの「技術提案力があること」とは、「案件ごとに適切な技術提案ができること」を示しています。必要もないのにオーバースペックな特殊工法を提案されても、費用が高くて困りますし、検討に要する時間が互いに無駄になります。

「必要十分な技術を適切に提案してくれる会社」を求めました。


■ 「こだわり」はない方がよい


― 要件4.「柔軟性、こだわりのなさ」とは。

「柔軟性(こだわりのなさ)」は、非常に重要な要件です。では根本のところから説明することにします。

染谷工務店は「地場の中堅建設会社」ですが、ここ茨城県西部では、「東京の大手建設会社」が競合となることも頻繁にあります。東京と茨城は近いですから。

このとき、弊社としては競争に勝つために、「お客様本位の柔軟性」「小回りの良さ」「コスト面で競争力のある提案」をアピールする必要がありますが、このとき外注先である構造設計の会社に「過剰なこだわり」があると、顧客への提案がやりにくくなります。


■ 構造計算の仕事に「こだわり」が不要な理由

― 「構造設計会社に『過剰なこだわり』があると、顧客への提案がやりにくくなる」とは具体的には。

お客様に、高品質かつ低コストの提案をしながらも、かつ弊社側に適正な利益を確保するためには、設計段階、工法段階から、構造設計会社とよく話し合う必要があります。

しかしこのとき構造設計会社に柔軟性がない場合、ことが上手く進みません。ここのところは説明が難しいですね…

(さくら構造 木下): 染谷工務店様が言いにくそうなので私が代わりに説明します。端的にいえば『構造技術者側のこだわり』は工務店にとって有害だ、ということです。

― なぜ有害なのですか。「こだわりのある技術者」の方が良い仕事をするように思えますが。

細工物など伝統工芸の世界なら「こだわりある職人」の方が良い仕事をするでしょう。

しかし構造計算の世界での「職人のこだわり」とは、結局のところ「自分は何が何でもこの計算方法で仕事を進めたい」という「単なるわがまま」でしかありません。

その「こだわり」にも実はたいした根拠はなくて、単に「その方法しか知らない」「今さら別の方法でやるのは面倒くさい」というお粗末な話だったりします。

こうした態度を「職人のこだわり」という美名で表現するは不適切で、単に「勉強不足」「頭がカタイ」といえばよいと思います。

さくら構造では、社員に対し「こだわり(=既成概念)は捨てろ」「まず最初に直接顧客となる工務店と最終エンドユーザーである施主にとって一番よいやり方を考えて、仕事のやり方はそれに合わせろ」と教育しています。

構造計算の仕事に、自分の方法に対するこだわり、悪しき職人根性は不要です。必要なのは「顧客満足に対するこだわり」です。


■ 最初から相談する方が結局、効率的


― 現在さくら構造とは、どのように仕事を進めているのですか。

さくら構造には、ギリギリになって発注するのではなく、スケジュール的に余裕がある「案件の企画段階」から相談するようにしています。初期段階から話し合う方が、「高品質、短納期、低コスト」の建設を実現しやすくなるからです。

まず基礎図面を見せて、施主の状況や意向を伝える、その上でスピード、品質、価格をベストの状態に持って行くにはどうするのが一番いいかを、ディスカッションしながら模索します。


■ 先輩ユーザーからのアドバイス

- 現在、構造計算会社を探している他の工務店に向けて、「先輩ユーザーとしてのアドバイス」などあればお願いします。

染谷工務店では、外注会社のみなさんに対しては、「来る者拒まず去る者追わず」が基本姿勢で、もし互いに気が合うようなら良きパートナーとして一緒に良い仕事をしていきましょうという感覚でおつきあいしています。

その観点での感想ですが、さくら構造は会社規模も大きいし、話もしやすいし、非常に付き合いやすい会社だと思います。だから、もし構造計算事務所を探しているのなら、とりあえず問い合わせをして話を聞いてみるぐらいは、やってみる価値は十分にあるんじゃないかなと思います。

さくら構造さん、これからも良き仕事仲間として共にがんばっていきましょう。引き続きよろしくお願いします。


写真左は、さくら構造 渡部、木下

※ (株)染谷工務店のホームページ
※ 取材日時 2015年4月